都内からここ埼玉県和光市に引っ越してきたのが２００５年。身近な自然の多さに感動したことが大きなきっかけとなり水彩画を

描き始めました。以前から自然が好きで、山登りやジョギング、サイクリングといったスポーツを通じて心に触れる風景に出会うと

ちょっとしたスケッチはしていました。それが転居後、急に憑かれたように描きはじめ、休日はほとんどスケッチに出かけるように

なりました。慣 れないうちはただ目の前の風景を写し取る ことのみに夢中でしたが、数をこなすうち、だんだんとその瞬間、自分

の一番感動した風景を素直に表せるようになってきたかな…と感じているところです。

そんななか、２００６年１２月にスタートした散歩ギャラリーは、和光市を中心にいつまでも残してほしい風景や、各地の自然を水彩

画で表現しています。おもに土日祝日の晴れた日を選び、自宅の塀に水彩画を野外展示して、道行く人に楽しんでいただいていま

す。写真のように簡単な設置ではありますが、向かいは武蔵野の面影を残す斜面林が広がっていて、野鳥や昆虫も多く生息、緑

濃い空気の中で気持ちよく絵を鑑賞していただける環境です。宅地化が進む中、近所の畑や雑木林も年々少なくなっています。

消えゆく風景を一つでも多く絵として残したい、こんな気持ちであちこちスケッチに出かける休日の日々です。この散歩ギャラリー

が地域の自然に対する思いを少しでも皆さまと共有できる場になれば幸いです。

佐藤　けんいち